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相続に強い東京の不動産鑑定士が教える土地評価の基本

相続で土地や建物を引き継ぐ際、「この不動産の評価額はどうやって決まるの?」と疑問に思う方は少なくありません。特に東京都内のような価格差が激しい地域では、評価額の算定が相続税額や遺産分割に大きく影響します。「相続で不動産を受け継いだが、評価の方法がわからず困っている」「遺産分割を巡るトラブルを避けたい」──そんな不安を抱える方に向けて、本記事では不動産鑑定士が相続時の土地評価の基本をやさしく解説します。

1.相続時の不動産評価はなぜ重要?

1-1 税額だけでなく、遺産分割・トラブル回避にも影響

相続財産の中で不動産が占める割合は大きく、正確な評価は「公平な遺産分割」や「相続税の適正申告」に不可欠です。評価が曖昧なままだと、相続人同士のトラブルや、のちの税務調査による追徴課税リスクも生じる可能性があります。

1-2 評価誤りによる税務リスクとその対処法

複雑な事例では、不動産鑑定士の専門的判断が求められます。鑑定評価書があることで、税務署への説得力ある説明が可能になります。なお、財産評価基本通達に精通した不動産鑑定士であれば、専門家の立場から、通常評価のお手伝いもできます。

2.「相続時に参考になる不動産評価額の調べ方」の基礎知識

2-1 固定資産税評価額・路線価・実勢価格の違い

固定資産税路線価:市町村が固定資産税に課税するために用いる路線価。一般に市場価格の7割程度。

相続税路線価:相続税や贈与税の算定のための価額。国税庁が定め、市街地での土地評価に使われる。一般に市場価格の8割程度。郊外や地方などでは、路線価がないところが多い。

実勢価格:実際の取引価格。不動産鑑定ではこれを基に評価することが多い。

下記のサイトより、固定資産税路線価と相続税路線価は調べられますので、ご活用下さい。なお、相続税路線価の更新は、毎年、更新が比較的遅いのでご注意下さい。

全国地価マップ | トップ

2-2 不動産鑑定士が行う評価との違いとは?

不動産鑑定士は、対象不動産の個別性(形状、接道状況、用途制限など)を考慮し、より実態に即した評価を行います。特に標準的な方法(財産評価基本通達による評価)で増減価要因が適切に反映できない場合には、鑑定評価が非常に有効です。

3.東京で相続に強い不動産鑑定士を選ぶポイント

3-1 評価の専門性と地域事情への理解

東京は地価も物件特性も多様で、単純な評価ではすまないケースが多々あります。たとえば、同じような土地であっても、市区町村の違いで考慮すべき要素が大きく異なったりします。地域事情に精通した不動産鑑定士の判断が価値を持つ場合もあります。

3-2 相続案件の実績と士業との連携体制

税理士や弁護士のほか、司法書士、土地家屋調査士と連携し、相続対策や税務申告をワンストップでサポートできる体制があるかも重要です。不動産鑑定士単独ではなく、信頼できる士業ネットワークを持つ鑑定士を選びましょう。特に相続案件においては税理士と土地家屋調査士との連携は重要です。税理士の方が依頼者の税務判断を行う上でも、不動産評価書は心強い武器になることもあります。

4.相続評価で注意すべき土地のパターン

4-1 評価単位、無道路地、借地権付き土地

評価が難しい土地には以下のようなものがあります。

  • 複数筆の土地が評価単位として一体かどうか等評価単位の判断の複雑な土地
  • 接道がない無道路地
  • 借地権が設定されている土地

これらは評価方法が特殊であったり、判断に迷うことが多いので、誤ると税額に大きな差が生じます。特に財産評価基本通達に規定する評価単位に詳しい不動産鑑定士は非常に少ないです。

4-2 都市部の私道持分やセットバックを要する土地も要注意

東京都内限った話でないですが、都内は狭隘道路が多いです。道路に接していても、建物建替時にセットバックが必要なケースや対象地の一部が私道であったりするケースもあります。これらは土地の評価額に影響しやすく、評価にも慎重な判断が必要です。

5.不動産鑑定を依頼する際の流れと費用感

5-1 相談から鑑定評価書の納品までのステップ

1.相談・ヒアリング

2.現地調査・法的調査

3.鑑定評価の実施

4.鑑定評価書の納品(約3〜4週間が目安)

5-2 評価費用の目安と他の専門家との連携の利点

評価費用は内容(難易度)により異なりますが、数十程度程度が一般的です。適正な評価で税務リスクが減ることを考えれば、相応の投資です。また、他の専門家との情報共有がスムーズな鑑定士であれば、手続き全体が効率的になります。

まとめ

相続における不動産評価は、税額の適正化だけでなく、相続人間の信頼関係を守る重要なステップです。評価に不安がある場合は、経験豊富な不動産鑑定士に早めに相談することをおすすめします。
相続に強い不動産鑑定士をお探しなら、当事務所までお気軽にご相談ください。